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概要

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26 後援会たより No.33「就職したら3 年間は    頑張って欲しい」医療福祉工学部健康スポーツ科学科教授廣ひろ下した宏こう治じ先生 - 先生が在学された時のキャンパスは、どんな様子でしたか? 当時、キャンパスは寝屋川だけで、3 年生の頃にM 号館ができました。6 学科くらいありましたが、電子は通信と並んで花形でしたね。でも就職事情はよくなかったです。私は、同じゼミの友人がコナミ(当時はコナミ工業)に行ったらすぐ内定をもらったというので行ってみたら、決まりました。たしか47 人入って、それでも全社員が100 人いなかったと思います。大企業に入っていたら、工場のラインか営業で終わっていたかもしれません。- 30年以上、コナミ・グループで勤務されたわけですが、どんな分野の仕事をされたんですか? 最初は研修の為、工場で製品の動作チェックなどをやっていましたが、社内募集(開発者)が5 月に有り、それに応募して試験・面接を得てプログラマとして開発職に就くことが出来ました。それから業務用(ゲームセンター向け)のビデオゲームなどをつくるようになりました。その後、東京でショッピングセンター向けのカプセル機、メダルゲーム機をつくったり、神戸でパチンコの液晶部分を担当したりしました。この頃からプロデューサー・ディレクタの立場の仕事が中心になってきました。子会社化の展開に伴って、北海道に立ち上げた㈱KCE 札幌では家庭用ゲームソフトをつくりました。㈱コナミオンラインではコンテンツ制作のライン増設に携わりました。- 先生の経験は初めてですか? 初めてです。夢にも思っていなかったので、昨年急に話があって驚きました。それもデジタルゲーム学科ではなくて、健康スポーツ科学科でしたから。医療福祉工学部長の大石利光先生が元コナミスポーツ社長だった関係かもしれませんが…。- 前期はどんな科目を担当されましたか? 3 年生の「キャリアデザイン」と1 年生向けに「医学概論」を担当しました。後期は2 年生に「ベーシックキャリアデザイン」「システム情報処理演習」「生体計測学実習」を予定しています。- 感想をお聞かせください。 「人にものを教えるなんておこがましい」というのが正直なところです。サラリーマンでもそうですが、教えるのではなく、考えさせるという形で育ててもらいました。「キャリアデザイン」の授業でも、「こうしなさい、ああしなさい」というのは失礼だと考えて、教えるというスタンスではやっていません。一緒に考えようということですね。恥ずかしながら試行錯誤の毎日でした。これからもそうでしょう。- この機会に個人的に研究しようと考えておられるテーマはありますか? コナミのゲーム「ダンス・ダンス・レボリューション」はダイエットや体調維持に役立つと言われていますが、データをきっちり取って、最終的にはリハビリに利用できないか…と考えています。アメリカでは、これがダイエット予防に使われている例があると聞いています。 音楽ゲームによるリハビリはいろんなところで試みられていますが、継続した結果が出ていないんですね。ただ作って「はい、どうぞ」ではダメで、継続して使ってもらえるマシンをつくる必要があります。私は企業出身ですから、安くて安全なことも大切な要素です。- 保護者の方に一言。 世間的に言う一流大学とか一流企業って、何が一流なんでしょうね。一流と言われる企業もつぶれないということはないし、クビにならないという保証もありません。公務員は安定していると言われますが、本来社会奉仕するのが公務員ですから、自分さえよければ…という考えで目指すのは考え直して欲しいです。子どもさんが何をしたいのか、何が得意なのか、一緒に考えてあげることが大事だと思います。会社は小さくてもいいんです。社長がどういう人なのか、しっかり先を見ている人なのか、一緒に考えてあげるのもいいですね。 学生にも言ったのですが、就職したら3 年間はやめずに頑張って欲しいです。転職するにしても、社会人としての礎をつくったうえで、3 年間何をやったかをアピールできるようになってからでも遅くないでしょう。プロフィール1981 年 大阪電気通信大学工学部電子工学科卒、コナミ工業㈱(現コナミ㈱)入社1996 年 ㈱KCE札幌(コナミグループ)設立、代表取締役。2002 年 ㈱コナミオンライン取締役2011 年 コナミリアルエステート㈱常勤監査役、KPE ㈱監査役、㈱コナミスポーツ&ライフ監査役