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概要

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2014. Autumn 25「Think positive」工学部電子機械工学科講師疋ひき田た真しん一いち先生 はじめまして。昨年の9 月16 日に工学部電子機械工学科に着任いたしました疋田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 着任早々のプレゼミナールで、いきなり3年生を当研究室に受け入れることになりました。当初、顔も名前もよくわからない新任教員の研究室にいったい何人の学生が希望してくれるだろうか、と心配しておりましたが、本学には思いのほか冒険心に満ちた学生が多かったようで、私の懸念は杞憂に終わりました。その後、当研究室に仮配属された11 名の3年生は全員が4年生に無事進級し、今はみな卒業研究に取り組んでいます。学生には卒研を通じて、これまでに学んできた知識が問題解決にどう役に立つのか、未解決の問題に挑戦するときのドキドキワクワク感、そして実際に問題を解決したときの喜び・達成感を少しでも感じ学びとってもらえるよう指導に励んでおります。 ここで、少し私の研究についてお話しさせていただきたいと思います。プロフィールにありますとおり、私は学部学生時代にシステム工学科で制御を学び、視線制御のしくみに興味をもちました。ジョギングやテニス等のスポーツ中、身体の上下動や水平移動があっても、看板の字がぶれて読めなくなることはありません。このことは、頭が揺れ動いても視覚を安定に保つしくみが存在することを示唆しています。もし、人間の視覚安定化のメカニズムを解明できれば、人間のような目を持つロボットの概念設計の一助となるのではないか、と思い、博士課程では頭部動揺時の視覚安定化に関わる眼球運動の制御機構についての研究に取り組みました。この研究をきっかけに、環境変化に対してロバストな感覚情報処理と運動制御のメカニズムを備えた「目」、心理状態を映す心の鏡としての「目」、そして正確で素早い運動機能をもつ「目」を理解することは、近い将来、人間とコンピュータ、人間とロボットが仲良く共生する環境を作るときにきっと役に立つはずだと考えるようになりました。最近は、目の画像に基づく眠気やストレスの推定、目やまぶたの動きを利用してハンズフリーでPCやスマートフォンの操作を可能にする視線インタフェース、そしてこれらの基礎となるカメラを用いた画像処理による視線計測技術の研究開発に重点的に取り組んでいます。 私の好きな言葉の一つに、「同じ阿呆なら踊らにゃ損々」という表現があります。ご存じのとおり阿波踊りの掛け声です。これを今の大学生にあてはめますと、「ソン」をしている学生が多いように感じます。山のような宿題やレポート、卒業研究を前にして、「たいへんだ、無理だ」と思いながら後ろ向きに取り組むか、あるいは少年漫画の主人公のように「すごい課題だなあ、ワクワクしてきたぞ」とポジティブに挑戦するか……どうせやるなら楽しくやったほうが、自分もハッピー、まわりもハッピー、物事がうまくいく気がしてきませんか。 とかく世の中では苦しみの先にはじめてゴールがあると思われがちです。が、モノは考えようではないでしょうか。どうせやるなら楽しまにゃソンソン、をモットーに、本学での教育研究に取り組んでいきたいと思っております。プロフィール1996 年 大阪大学基礎工学部 システム工学科 卒業1998 年 大阪大学大学院 博士前期課程 基礎工学研究科物理系専攻 修了2002 年 大阪大学大学院 博士後期課程 基礎工学研究科システム人間系専攻 修了、博士(工学)2002 年 広島市立大学情報科学部 助手2007 年 広島市立大学大学院 情報科学研究科 助教2013 年  大阪電気通信大学工学部 電子機械工学科 講師(現職)