ブックタイトルtayori2014-32

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概要

tayori2014-32

2014. Spring 3大阪電気通信大学学長橘  邦 英35,064 時間の過ごし方 大阪電気通信大学にご入学おめでとうございます。ご本人はもとより、ご家族の皆さまにも、心よりお祝いを申し上げます。実社会に出ていく前の大学での4年間は、総合的な人間力を高める大切な期間ですが、その「学修の場」として本学を選んでいただき、誠に有難うございます。 ところで、表題の数字は本学の広報部がJRのポスターなどで衆目を集めるために使っているものですが、何だかお判りでしょうか。新入生の諸君がこれから大学で過ごす4年間の延べ時間を(閏年も考慮して)算出したものだそうです。その貴重な時間を使って、皆さんが大学で進めて行かれる「学修」は高校までの「学習」とは大きく異なるところがあります。まず、学修という言葉ですが、漢字では学び修めると書きます。これは高校までの学び習うという言葉(study)と違っています。修めること、すなわち修得するということは、ただ知識を習うこととは異なり、身に着いた知識や活用できる生きた知識を修得すること(learn) を意味します。そのためには、主体的な学びが必要になります。高校までの「生徒」という呼び方も「学生」に変わりますが、主体的に学ぶ自己という意味が込められています。また、カリキュラムも、所属する学科ごとに必修科目という基本的な骨組みがありますが、それに選択科目や他学科の科目などを加えて、自分なりの肉付けをしていく自由度があり、それぞれの個性を発揮することができます。 さて、本学では実学の教育に力を入れています。実学というものをわかりやすい言葉で表現することによって、4年間にどのような力をつけて行けば、社会で活躍できる人間になれるのかを示すことにし、全学的な教育指針(カリキュラムポリシー)としています。それは、手と頭と心に次の3つの実学のチカラを修得することです。【手】手が動かせる(与えられた課題に着手できる)【頭】 絵が描ける   (自分の考えを図式化してビジュアルに表現できる)【心】 コミュニケーションができる   (双方向の意思疎通ができる) このようなチカラを、共通教育の総合科目、基礎専門科目や語学、並びに各学科での専門科目を通して、着実に身につけて言って欲しいと願っています。 本学では、その実学の学修ステップを次の4段階で表現しています。① ときめき → ② 実践 → ③ 感動 → ④ 発展。まず、大学に入学する機会(Opportunity)を得て、こんなことができる、あんなことがしたいという、ときめきの気持ちをもってもらうことから始まります。そのために、各学部や学科で、どんな勉強をするのか、将来どんな道へ進めるのかといったガイダンスを行います。そして、第二段階で実践的な講義・演習や実験・実習(Experience)を進めます。そうすれば、学んだり修得したりしたことから、こんなことができるんだ(Capability)という感動が得られ、結果が具体的な形として見えてきます。それが第三段階の学びです。そうすると、次には、それを別のところや新しいことに応用してみたい(Utility)という、意欲がわいてきます。それが第四段階の発展の学びです。そのそれぞれのステップに意訳的に割り当てた英単語の頭文字がOECUすなわち大阪電気通信大学(OsakaElectro-Communication University)の英文名と対応しています。それを「OECU実学学修ステップ」と呼んでいます。このようなステップの中で、本学の特徴であるICT技術を取り入れた学修法を活用し、皆さん一人ひとりが主体的な学修を進められるアクティブラーニングや課題解決型学習のカリキュラムを取り入れるよう教育改革を進めてきています。ちなみに、OECUの真ん中の2文字はElectro-Communicationですが、縮めればe-communicationになります。大阪で一番いいコミュニケーションの大学という意味も込めていますが、ICTすなわち情報コミュニケーション技術を全学共通のツールとして修得してコミュニケーションスキルを磨き、その上に「実学のチカラ」を着実に培っていってほしいと願っています。 最後に、毎日の生活の中で実行して欲しいことを一つご紹介します。新入生の皆さんには、「学生生活の案内」という青色の手帳が配布されていると思います。その手帳には学生生活に係る諸規則や手続き、学修支援などについての有用な情報が掲載されています。カレンダーの部分には、1日の予定を記入する欄の横に、6つに区切った枠があります。そこに、その日に覚えたこと、気がついたことなどについて、何でも結構ですから、少なくとも3つ以上、できれば5つ程度のキーワードを、帰路の電車の中や就寝前にでも、忘れないうちに記入して行って下さい。いろんな機会に文章を書いたり、アイデアを考えたりするときに、頭のポケットにキーワードを持っていると、その幾つかを取り出してストーリーを組み立てたり、複数のキーワードの組み合わせから新しいアイデアを着想することができます。そのような発想法や思考法については、キャリア科目等でそのうちに学修しますが、できるだけ多くのキーワードを貯め込んでおけば、いろんな場面で役に立ちます。 本学のすべての教職員は、皆さんの学業の支援や将来の夢をかなえる手助けをしますので、困ったときや迷ったときには遠慮せずに相談して下さい。皆さんが、それぞれに自立した個人として、悔いのない学生生活を送られることを願っています。